第10章 *決起ルーキーズ!*
『ユウ達...どこだろ』
レオナ『オンボロ寮じゃねぇのか?』
『帰ってるかな...?』
オンボロ寮までの道のり、二人はそんなことをは話ながら歩いていた。その間には他の生徒たちと少ないながらにもすれ違うのだが、その殆どが二人の姿に2度見したりヒソヒソと小声で話していた
『...私、変かな』
レオナ『まぁ、ここに女がいるなんて珍しいからな』
本当はそれだけでないことをレオナは知っていた。自由気ままで授業にもほぼ出ずに寝ている自分が、密かな話題のレイラと手を繋いで歩いている。珍しい×2の現象に目を向けたくなるのも無理はない
『知らない人...怖い』
それでも他の男がレイラを僅かでも好奇の目で見てくることが腹立たしかったレオナだが、怖いと言って肩を寄せてくる彼女にその気持ちはすっ飛んでいった
俺のものだと言わんばかりに、長い尻尾をそっとレイラの腰に添えるようにくっつけ、自慢するような笑みを見せた
学園長『おやおや、お熱いですね~♪』
レオナ『げっ...クロウリー...』
『クロさんだ...』
突然音もなく目の前に降りてきたクロウリーに、二人は特に驚くこともなくレオナは嫌悪に顔をしかめた
学園長『特に驚きませんね~』
レオナ『俺達は鼻も良いからな。魔力の匂いで分かる』
『クロさん、どうしたの?』
学園長『そうだレイラさん。早く図書室へお行きなさい。ユウさん達がとても心配していましたよ』
レオナ『図書室、だと?』
学園長『ええ。彼らはローズハート君と決闘することを決めました』
『決闘...?怖いこと?』
レオナ『寮長の座をぶん取る為の勝負だ。魔法以外は禁止だからそこまで怖いことにはなんねぇよ(まぁ、魔法の方が物理よりヤバイことになる事もあるが...)』
学園長『因みに参加するのはそこの寮生のみなので、ユウさんとグリム君は不参加ですが』
『じゃあ、エースとデュースが...でも首輪』
学園長『ハンデを与えてはいけないので、勿論開始と共に外されますよ』
『良かった...でも大丈夫かな?』
学園長『まぁまぁ、とにかく彼らの元へ行きましょう。貴女が安全な所へ行っていたのは私が伝えておきました。けれど心配なのは変わらないようですから』