第9章 寄り集まるグリフィンドール
天気のいい今日
お腹も空くお昼時に、少し……いや大分人にしては小さな教師が目の前で講義をしていた
「魔法使いの最も基本な技術、それは浮遊の術
そう、すなわち物を浮かせて飛ばす事です」
フリットウィック先生は、台の上に乗って生徒たちを見回し、杖を振る
今日はフリットウィック先生の呪文の授業だ
(実物で見たら……ちっちゃい)
ヴィオラは改めて彼を凝視するも、その背丈は変わらない
彼にはゴブリンの血が流れている
そのため、身体はとても小さく、子供にも大人にも見えない
だが、レイブンクローの寮監であり、生徒達に親しみやすい授業をするとして、とても人気がある
ああ見えてちゃんと教師なのだ
背丈も小さい事から、女子生徒には「可愛い」と別の意味で人気があるのだ
「ねえ、ヴィオラ」
「ん?どしたのミア」
ヴィオラの隣の席
同じルームメイトであり、友達であるミア・ジェーンズが話しかけてきた
ふわふわな金髪ボブに、綺麗な青い瞳
まるでフランス人形のような容姿のミアは、何やらワクワクしたような顔でこちらを見つめてきている
「ハーマイオニーから聞いたんだけど、ヴィオラって誰かと付き合ってるの?」
「へ?」
「Oh!それは私も耳にしました!」
「あたしも聞いた!ハッフルパフのハンサム君と仲良くしてたんだろ?」
「ええ〜」
ミアに便乗し話しかけてくるのは、キャシー・フランクリンと、ユエンユエン・グウェン
キャシーは前髪をあげた茶髪に栗色の瞳
ユエンユエンは、長い三つ編みに緑の瞳
彼女達も、ルームメイトで友達である
キャシーは何事にもポジティブで、そのせいか天然なのだ
嫌味を言われてもほとんど通じる事がない
ユエンユエンはれっきとした帰国子女で、言葉が不安定だ
この間も、「ではまた!怨念があったらお会いしまショウ!」と間違えていた
この場合、「怨念」ではなく「ご縁」だ
その個性的な二人は、後ろの席から身を乗り出して聞いてくる
「確かダレでしたでしょう……、エドリックでしたっけ?」
「ユエンユエン、それヴィオラの弟と混じってないか?エドリックじゃなくてセドリックだろ」
「Oh My God!私とした事が!」
「落ち着きなよ2人共」