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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第6章 ホグワーツへ行こう!



ヴィオラはもう知っているので何も言えない

「………………」

(確か、『犠牲の印』って言うんだっけ?死の呪いからハリーを助けるためにリリーがかけた魔法)



リリーはハリーを愛していた
だから、自分の命を犠牲に、我が子を守った
その代償にハリーはヴォルデモートに傷跡を負わされた

それは感動的だが、なんとも悲しい話だった


「坊ちゃん何かいかが?」

その考えを打ち消すように、お菓子のカートを引いたおばさんが話しかけてきた
あの、ハリーが全部買い占める場面だ

「僕、いいや、自分のがある」

ロンが気まずそうにポケットに手を入れ、ラップに包んだお菓子を出す

本当はロンも欲しいはずだが、家がそこまで恵まれている訳では無い事を、彼はよく知ってる
だから、我慢している
その姿をなかなかに偉いなとヴィオラは思った
ハリーももちろんそれを察し、

「ぜーんぶ頂戴!」

そう言ってポケットから金貨を何枚も取り出した
ロンがそれを見て「わあ!」と驚いている


さすがに、精神年齢でいえば年下のハリー達に全て出させるのは私のプライドも許さない
だから、ヴィオラも持ってきたお金を出した


「じゃあ、私も出すよ、半分でそれぞれ持とう?」
「いいの?」
「だって、ハリーにだけ払わせるなんてダメだよ、私達で払ってみんなで食べようよ!」
「ありがとう!」

ハリーが笑ってお礼を言ってくる
彼としては、初めてできた同年代の友達が困っているのはほっとけないのだろう

(お姉さんに任せなさい!)

そうしてヴィオラとハリーはお菓子を全て買い占めた




カートのお菓子が全てこの部屋に運ばれ、机の上はお菓子祭りの状態になっている
至れり尽くせりだ
グミにチョコレートに、キャンディまで揃っている

ハリー達は百味ビーンズやカエルチョコなどを食べ盛り上がっていた

ヴィオラはと言うと、「変身マーブルチョコ」というものを食べていた
これは食べたら動物に変身するというものだ
さすがに入学式前にこれを食べて犬やら猫やらになってしまったら元も子もないので、魔法の効力は弱められている

だから安心して、彼女はこれを食べた


のが間違いだった




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