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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第33章 眠り姫




そしてヴィオラは今その状態だ


魂がないため、魔力も半分しかない
別に魔力が半分しかないからといって何ともないが、死の呪文をかけられれば呼吸をする間もなく死ぬ



彼女の中にある彼女自身の魔力はごく僅かにまで減ってきている
そして、他者の魔力が体に溢れている
自分自身の魔力ではないのにずっと体に宿していれば、やがて体を汚染していき、自身の魔力を食らっていく

だから危険なのだ
自分の魔力を喰い、宿主の体に存在しようとするから、『愛の魔法』は非常にめんどくさい






「チッ、あの銀髪女
面倒なもん残していきやがって」

舌打ちをする
ある一人の女を思い浮かべて



憎い女

恨んでいる女




自分をこんな風にした
怒りを抱く女だ






怒りを抑えながら、ベッドに眠る姫君を見やる

















「…………お前も利用されたのか
50年前から、ずっと」





50年前



まだ自分が生きていた時



あの時の自分は、確か28歳くらいだった

この子供の姿よりも成長した、本当の姿
長い黒髪に、赤い瞳の男だった

実体化しなければ自分は銀髪に金瞳だが、元に戻れば髪も瞳も戻る







そしてその時、まだ28という若さで、ルブリスは死と出会った







「…………………」

思い出したくもない


酷い記憶
裏切りの記憶
















『お前は唯一、ーー力を持ったからな
ーーーーのために、ーーーさせてもらう』








ドン!


「っ…」

壁を殴る

歯を食いしばる


思い出すと心から憎悪が溢れて、抑えきれないのだ




「はぁ……がらじゃねぇな」






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