第31章 避けられる
という始末
「(シクシク)」
「で、だから今ソファを濡らしまくってるのか」
「そうみたいだね」
「とりあえず泣き止ませないと…
これ以上は洗濯しなきゃいけないわ」
ハリーやロン、ハーマイオニーがこちらを見て言った
何度話しかけても逃げられてしまう
この間はヴィオラを見かけた途端秒速で走り去っていった
その動きは30代の大人とは思えないほど俊敏で
足腰を鍛えていらっしゃったのが分かった。
「ヴィオラ、紅茶でも飲んで落ち着いて」
「グスン…ありがとう……グズ」
「「…………………」」
こりゃだめだ
と、3人は思った
「グズ…しょっぱいよぉ」
「君が涙を流してるからさ、ほら、砂糖入れるよ」
「(コクリ)」
ロンに砂糖を2つ入れてもらう
それを飲む
甘い味が口の中に広がった
口の中がしょっぱくてしょっぱくて仕方なかったのに、優しい香りと味で満たされて、少しだけ落ち着いた
それを見て、ハリーが言う
「でも、どうしてそこまで避けられてるんだろうね」
「分からないの…私何もしてないのに………グチュン」
「あーあー、泣かないの、涙を拭いて?」
「うん…ズビー!!」
「私のハンカチ……」
「ハーマイオニー、良かったら今度一緒に買いに行こうか?」
「気持ちだけいただくわロン」
と、3人が話し込んでいる合間にも、ヴィオラの涙は出るわ出るわ
(はぁ……ほんとになんで避けられるんだろう…
それか単純に嫌われてるのかなぁ……)
「(ズーーーーン)」
「あぁ、負のオーラが!」
「皆を呼んで!緊急避難をするのよ!」
「やばいよ!ジョージとフレッドのせいで皆底なし罠に引っかかってる!」
「はぁ!?」
それから数日の間、皆談話室には近寄らなくなった。
理由は言わずもがな。
「ヴィオラ、これホグズミードで買ったショコラデス」
「チョコレートだね、ありがとう」
噴水広場でミアとキャシーとユエンユエンと雑談中
ハーマイオニーのアドバイスで、ルーピン先生を追っかける毎日から離れた
しばらくはメンタルを回復させろ、との事だ