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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第29章 悲しい偽り



「……………………」

ひとつ気になる事があった

なぜ、吸魂鬼があんなにたくさん集まったのか?



映画で見た時は、そんなんじゃなかったのに



(…………………………)


まあとにかく、今は考えるのはやめておこう
ハリーに伝えなければならない事があるのだから




「ねぇハリー、言い難いんだけど…」
「?」

ハリーはキョトンとしている

だがしかし、言わなければならない


そばにいたロンに目を向ける
やはり彼も、ヴィオラと同じように気まずい顔をしていた

そのまま、向こうの机にある物を取りに行く


「ごめんね、落ちたハリーの事は助けられたんだけど…
箒だけは風のせいで飛んでっちゃって」
「っ…」

ハリーの目の前に箒を持っていく
その箒はボロボロで、柄の部分が折れてしまっていた
もう箒としての役目を果たさない、折れたニンバス2000

それを見たハリーは、静かに息を飲んだ

その様子に、思わず唇を噛んでしまう



「暴れ柳にぶつかったみたいなんだ
そのせいで……」

ロンが説明してくれる

彼の言う通り、暴れ柳のせいで箒が折れてしまった
枝に引っかかったようで、柳が力強く箒を振り落とそうとしたらしい

「良いんだ……骨が折れるよりマシさ……」


ハリーはそう言う

でも、良くなんてなかった

もっと注意深く見ていれば、マクゴナガルから貰った箒は折れずに済んだのだから




(箒って、折れる予定だったっけ………?)











この時、私は自分の異変に気付き始めた






























「………………………」


ホグワーツの談話室にて

ヴィオラは一人物思いにふけっていた



(なんで……思い出せなくなってるんだろ……)

ずっと思っていた事なのだが、自分はこれからの原作の知識を思い出せなくなっている





『どうした?死んだ魚みたいな顔して』

「(ピキッ)」

ルブリスが話しかけてくる

今回はヴィオラの机の椅子に座ってこちらを伺っていた
髪色も、黒髪が白銀に戻っている



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