第28章 出会いは突然に
最後に、あたかも気付いていないような言葉を付け足す
「私はあなたがシリウス・ブラックだと気付いていない」と思わせるために
シリウスはそれで納得したようだ
「ウゥ」と鳴いて、お辞儀をしてどこかへ行ってしまった
「ニャァー」
クルックシャンクスも、それについて行く
「ふぅ」
ため息をつく
立ち上がって、寮へと帰る
(シリウスとこんな所で出会うなんて……
予想してなかったけど、これは嬉しい誤算かも)
シリウスと動物もどきの状態で会えたなら、これで色々助けることが出来る
助けると言っても気休め程度にしかならないが、お腹を満たす事は出来る
今の自分は彼の正体を知らないという事になっているから
「それじゃ、ココアでも飲もうかな」
ちょっと疲れた
ジニーの恋バナでも聞いてあげよう