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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第28章 出会いは突然に





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「クゥ………」
「あ、目が覚めた?」

犬のシリウスが目を覚ました

ここがどこか確かめようとしていて、体を起こそうとする


「駄目だよ、まだ体が万全じゃないんだから」

と言って毛布の上に寝かせる

シリウスはじっとこちらを見ていた


「食べられる?急いで作ってもらったんだけど…」

そう言って、ナプキンに包んだ食べ物を見せる

作ってもらったと言っても、サツマイモや人参を蒸かしたものだ
動物状態の時は何が食べれるか知らないので、一応犬が食べられる物を用意してもらった

「本当はお肉を用意したかったけど、すぐに食べるとお腹痛めちゃうからね」


シリウスはナプキンの中の野菜をクンクンと嗅ぐ
警戒しているのだろう
やがて何もないと分かったのか、ゆっくりと食べてくれた



「こんなに汚れちゃって……」

黒い体を撫でる

とてももふもふで、本当に犬みたいだ
だがこれはシリウス・ブラック
「あなたを知ってる」とは言えないので、他人の振りをするしかない


そんな事を考えながら、ひたすら体を撫でる


「ヴゥン…」
「ん?ふふ、もう食べちゃったんだ」

見ると、ナプキンに包んでいた食べ物が全て無くなっていた
よっぽどお腹が空いていたのだろう




シリウスはじっとこちらを見てくる

「ヴゥンウゥン」

唸ってはスリスリと顔を擦り寄せてくる

今は膝枕してあげてる状態なので、ちょうど顔がお腹に当たってしまう


(ゔっ、今日食べたストロベリーパイが出てきちゃうっ)


とりあえずそんな事をしては人間として駄目な気がするので必死に耐える









ゴーンゴーン






「あ、鐘だ」


ホグワーツの中に入る時間だ
この鐘はそういう意味


「ごめんね、もう帰らないと」
「ウゥ…」
「そんな顔しないで?またクルックシャンクスに案内してもらうから」


そう言ってクルックシャンクスの方を見る

相変わらずのブサ顔だ
しかし可愛いのでブサカワの猫


「約束だよ?
困った事があったらクルックシャンクスを呼んで?
そしたら、いつでも駆け付けるから
まあ、犬に言って通じるか分からないけど……」



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