第28章 出会いは突然に
「大丈夫だよハグリッド
もしそんな事になっても、私がルシウスさんにちゃんと話すから」
「そうだハグリッド
それにダンブルドアならきっと分かってくれる」
ハグリッドはそう言われると少し落ち着いたようで、酒を飲む左手が止まった
そのまま言う
「それに、悪かったのはドラコでしょう?
明らかにハグリッドが責任感じる必要なんてないよ、ドラコの怪我もかすり傷なんだし
それでもドラコが何か言うなら私がぶっ飛ばしてあげるからっ」
そうして、胸に手を当て「ドーンと来い!」と言うようにした
ハグリッドも元気を取り戻し
「そうさな…ちっとばかし楽になった」
と言って笑ってくれた
クィレルと2人で微笑む
やはりハグリッドは笑う方が良いから
ハグリッドは顔を吹き、涙を拭う
何回か目をパチパチさせ、こちらを見た
すると
「なんでお前さんこんな所をうろついてんだ!?
ここはディメンターがたまに来るから危ねぇぞ!
早く帰るんじゃ!!」
と、その剣幕の凄いこと
様子を見に来たのだが、そう言われては帰るしかない
大人しく戻ることにした
「また来るからねー!!」
「おーう!!」
手を振りながら寮へと戻る
なんだかんだでハグリッドは元気そうだ
不安だったのが安心に変わった
「〜♪」
鼻歌を歌う
昔祖父のハンネスが教えてくれた、ラベンダーの子守唄
しばらく歩くと
「ニャー」
猫の鳴き声がした
足元の方からだ
目を落とすと
「ニャァー」
「クルックシャンクス!」
ハーマイオニーのペットの猫
赤毛のクルックシャンクスがいた
しゃがみこみ、クルックシャンクスを撫でる
「もう、どこに行ってたの?ハーマイオニーが探してたよ?」
「ニャー」
クルックシャンクスは気持ちよさそうに目を細める
それが何とも可愛らしく
思わず胸きゅんしてしまった
(ふぅ……危うく気絶しちゃうところだったぜ)
何とか正気を保つ
そうしている合間に、クルックシャンクスはヴィオラのローブに噛み付いてくる
「へ?ちょっと…」
中々離してくれない