第27章 リーマス・ルーピン
「もう出てきて大丈夫なの?」
「うん、それに早く授業受けないと落第点取っちゃう」
「そうか?先生達は皆分かってくれてるんだろ?」
「そうだけど……勉強しないとテストで良い点取れないからね」
ある日の授業
ヴィオラは医務室から退院し、無事に出席する事が出来た
マダム・ポンフリーによると、傷が深すぎて、もう少しで骨までいくところだったという
「授業に出たい」と言うと、鬼の形相よりも形相で怒られてしまった
『あなたはもう少し体を大事になさい!!』
治ってはきているが、しばらくは腕に包帯を付けたままで生活しなければならない
「にしても不便だなぁ」
「大丈夫?これから魔法薬学だけど、メリルの実は僕が切ろうか?」
「大丈夫だよ、利き手が残ってるし」
「少しくらいは頼っても大丈夫じゃないかしら?
あっちを見たら?」
ハーマイオニーに促され、その方向を見る
そちらにはクラッブとゴイル、パンジー・パーキンソンと、彼女の大好きなドラコがいた
ドラコは痛みに顔を歪めている
会話を聞いてみると
「運が良かったよ
校医のマダム・ポンフリーによると、もう少しで腕が落ちてたって」
なんともまあ
ドラコも結果的には怪我をしてしまったのか
庇いきれなかったのは申し訳ない
「ドラコもそんな重症だったなんて…」
「何言ってるの?あれは嘘よ?」
「え?」
ハーマイオニーに言われ、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする
嘘とはどういう事なのか
ハリーが言う
「あのさ、僕あの時見てたんだけど、ヴィオラが前に出てマルフォイを庇っただろ?」
「うん」
「マルフォイは怪我しちゃったけど、後でハグリッドが確認したらただのかすり傷だったんだよ」
「えぇ?」
「ほんとほんと、二の腕に数センチのかすり傷が出来てるだけって」
ロンが間から言ってくれる
開いた口が塞がらない
なぜドラコはそんな軽傷を重く言いふらすのだろう?
疑問に思っていると、それはすぐに明らかとなった
「ひっく…ぐずっ」
「泣くなよパーキンソン」
「だってぇ…ひっく…
あの女を助けてこうなったんでしょう?なのになぜお礼を言いに来ないの?おかげでこんな怪我を負ってしまったのに!」