• テキストサイズ

銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第23章 指輪の力



「賢い、ですね……」

開いた口が塞がらないとはこの事だ

彼は賢すぎる
天才とは彼のような人を言うのだろう


『よっ、と』

ずっと空に浮いていた彼は、地に足をつける
彼の姿がより鮮明に見えた

長い黒のローブに、革のブーツ
魔法使いというより魔導師を表すその服装は、彼によく似合っていた

そんな事を思っていると、ルブリスが話しかけて来る

『お前、名前はなんて言うんだ?』

「へ?」

『名前だよ』

「ヴィオラ、ヴィオラ・マリエレンダです」

『正式には?』

「正式名称はヴィオラ・カトリーヌ・マリエレンダです」

『ふーん、カトリーヌね』

「?」


何故か意味深にそう言われる

意味が分からず首を傾げるしかなかった

ちなみに正式名称は誰にでもある
ハリーも、ハリー・ジェームズ・ポッターだし、トム・リドルはトム・マールヴォロ・リドルだ
ロンはロナルド・ウィーズリーなのだが、主に愛称で呼ばれる


『つーかお前敬語やめろよ』

「ええ?」

急にそう言われた
敬語をやめろと言われても初対面の人間…ゴーストには礼儀を尽くすべきだろう

しかしルブリスはお構いなしに続ける


『ほら、普通に話せよ』

「でも、あなたの方が年上でしょう?」

『じゃあ同年代だったらいいのか?』

「え?」

『ほい』

パチン

ルブリスが指をはじく
耳あたりの良い音がテラスに響き、次の瞬間、彼の体が縮んだ

「え?」

どうなっているのだろう

目の前にいるのはルブリス
ルブリスなのだが

『どうだ?お前と同じ13歳の姿だぞ』

短髪の黒髪
血のように赤い瞳
さっきまで20代くらいの男性の姿が一気に小さくなり、今はヴィオラより少し背が高くなっている

「えぇ!?」

『俺みたいに魔力の使い方が上手くなればこういう事も出来んの』

「い、いやいや」

『にしてもお前身長ちっさいな、牛乳飲んでんのか?
そんなんだから胸が成長しな…』

「関係ないでしょう!?」

『くくっ』



相変わらずの辛辣さ

これからいつまでもこういうのが着いてくるのだろうか




「はぁ…」






一気に悩みが増えた気がする。









/ 428ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp