第17章 ポリジュース薬にはご注意を
「またまたゴール!スリザリン!90対30で、スリザリンのリード!
スリザリンめ!頑張れグリフィンドール!!」
「ジョーダン!ちゃんとやりなさい!」
「すみませんマクゴナガル先生!!」
競技場に、お馴染みのリー・ジョーダンの声が響き渡る
相変わらずマクゴナガルに怒られているようだ
今日はクィディッチでグリフィンドール対スリザリンの試合
先日、ドラコがシーカーになったのでハリーとドラコの因縁勝負
ロンやハーマイオニーは「絶対負けるな!」と熱の篭った応援をしていた
ハリーが競技場を飛び回る
「うわっ!」
「気を付けろ!」
ウッドがハリーに言う
さっきから彼はブラッジャーに付きまとわれている
これは屋敷しもべのドビーの仕業なのだが、度を越してるんじゃないかと思う
いくらハリーが気がかりとはいえ、これはやりすぎだ
(一歩間違えたらハリーが死んじゃうよっ!)
「危ないウッド!」
ガツン!
「ウッド!」
ウッドがブラッジャーに頭を打たれて真っ逆さまに落ちていく
シュッ!
「キャッチ!」
「うぅ…う〜」
間一髪でウッドを掴まえた
呻き声を上げてもがいている
ウッドを呪文で浮かせ、自らの箒に乗せる
落ちないようにしっかりとお腹周りを掴ませると、なぜだか観客席からウッドを非難する声が聞こえた
「大丈夫ウッド?」
「あぁ、平気だ……頭がっ」
「今マダム・ポンフリーのところに行くから、それまで我慢しててね」
そのままゆっくりと天幕の中に向かう
頭に負担をかけないようにゆったり高度を下げて、マダム・ポンフリーにウッドを預けた
「ふぅ、大丈夫だといいんだけど……」
会場に戻る
やっぱりまだ付きまとわれているようだ
(どうしよう、『終了の呪文』をかけた方がいいかな?)
『終了の呪文』とは、持続中の魔法を強制的に終わらせる呪文だ
魔法をかけているなら効くと思うが、やってもいいものか迷う
マネージャーは試合に手を出してはいけない
「……………………」
しばらく悩み、手を出さない事にした