第11章 プレゼントは死の秘宝
「はあ〜」
あのクィディッチの日からしばらく経ち、ホグワーツはクリスマス休暇を迎えようとしていた
ハーマイオニーは汽車で帰り、ロンとハリーはニコラス・フラメルについて調べている
せっかくの休暇だ
皆楽しみにしているだろう
だが、彼女は違う
なぜなら、マクゴナガルから外出禁止令が出たから
「クリスマスに家に帰れないなんて、酷すぎるよぉ……ううっ」
机に突っ伏し、涙をしくしくと流す
先日、倒れてしまい何日も眠っていたので、マダム・ポンフリーから許可を貰わねば外に出ることが出来なくなってしまったのだ
マクゴナガルは体調が元に戻らなければ家には帰せないと言っていた
つまり、この二人の連携プレーによって彼女は帰ることが出来なくなったのだ
(あぁ、エドワードに会いたい……)
頭に弟の姿が浮かんでくる
目がぱっちりして、金髪はとても綺麗で、可愛い我が弟に一目だけでも会いたい
ダンブルドアに直談判したが、体調を考慮してホグワーツにいなさいと言われた始末
もう、為す術もない
(………………………………暇だ)
何もすることがない
ハリー達にはニコラス・フラメルについて自分も調べると言ったが体調が心配だから何もしなくていいと言われたので手伝うことをさせて貰えない
ホグズミードには上級生でないので行くことはできない
「…………………………クィディッチの天幕の掃除にでも行くかな」
やることが無いので、マネージャーの仕事をしに行くことを決めた
「うわぁー、なんかホコリっぽくなった?」
天幕に来た
掃除用具を手に天幕を見渡すも、試合があったとは思えないほどホコリが積んでいた
マネージャーであるヴィオラがいなかったので、掃除をする人が居なくなったのだ
教員達も、クリスマス休暇でほとんどが帰っているので誰もここには来ない
管理人のフィルチが掃除しようにもホグワーツは広いのでなかなか手が回らない
(この椅子やばいよ……脚の部分がもう崩れて……)
近くにあった椅子もどきを触る
軽く触れた
すると
バキッ!
………………………………
フンスっ!!
掃除することを決めた
(とりあえず証拠隠滅でっ)