第2章 赤園虎次郎♠︎今夜は離さない
虎「まてよ愛!」
後ろから追いかけてくる虎次郎の声が、鼻の奥につんとしみる。
路地を幾つも曲がって、もう大丈夫だと思った時。
不意に、横から抱きしめられた。
愛「ちょ、ちょっと、虎次郎…!」
虎「急にいなくなって…どうしたんだよ!俺、なんかしたかよ!」
虎次郎が、私に抱きついたままで叫ぶ。
「本当は私のわがままなんだ」って言いたいのに、喉がきゅうっとなる。なんとか絞り出した声で、私は話しだした。
愛「わっ…私…私ね…」
そして、すっかり辺りは暗くなり、私達は公園のベンチに座っていた。
虎「俺さ、もう愛に心配かけないように、頑張るから!」
虎次郎がそう言ってくれた。私は嬉しくて、
愛「私こそ、もう余計なこと考えないで、虎次郎を信じるね。」
と返す。
愛「じゃ、そろそろ行こっか」
そう言って立ち上がった私の腕を、虎次郎がぐっと引っ張った。
愛「きゃっ」
月と街灯のわずかな光の中に、虎次郎の笑った顔が見える。
そして私の体が、強く引き寄せられた。
虎「今夜は…離さない。」
耳元でささやかれ、ドキッとしてしまう。
虎「…なぁーんて!冗談冗談♪」
愛「…もう、またそうやってからかうんだから!」
と、私が抗議すると、虎次郎は無邪気な笑顔でささやいた。
虎「ずっと、離さないよ?」
♡end♡