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―夢の籠―(進撃短編集)

第4章 サンタになった黒猫/リヴァイ(2020,BDss)


「リヴァイ兵長は……お別れの時に私に幸せになれと仰いました。だから、私は幸せになりに来たんです!ずっと、ずっと……リヴァイ兵長が好きでした。どうか、私を貴方の帰る場所にして下さい」
「……リリア。俺は1度手に入れたものは手放さない。その代わり責任は俺が取る。頭を下げる覚悟もある。全部俺のせいにすればいい」
「いいえ、私も覚悟してます。リヴァイ兵長……いえ、リヴァイさん」

リリアとリヴァイの周りをトコトコ歩き回る猫のサンタ。リリアは抱き上げ頬擦りする。
「サンタ、また今年も一緒に過ごせるね。今度はリヴァイさんも一緒だよ」

日が沈み遠くに見える町の灯り。
リリアの背景画として柔らかく笑うリリアを引き立てる。

「リヴァイさん、メリークリスマス!お誕生日おめでとうございます!」
「……ありがとな」

サンタクロースなんて迷信だとリヴァイは幼少から冷めた目で見ていた。
あの頃はそんな余裕がなかったとはいえ、当時を思い出しても可愛げのない子どもだったと思う。
大人になり漸く欲しいものが手に入った時の喜びを味わうことが出来たのも滑稽な話。
今日はクリスマス。

─あぁ、この歳になって初めてサンタクロースはいると思ったな。

「サンタは……俺のサンタクロースだな」

「にゃぁ!!」


fin

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