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―夢の籠―(進撃短編集)

第1章 アッカーマン・アニマルホスピタル/リヴァイ


ウォール市マリア町の外れに赤い屋根に真っ白な建物。
周りは緑に囲まれ、併設された大きなドッグランがある。

寒い冬が終わり、気持ちの良い春の朝。
ドッグランの真ん中にピンクのナース服を来たリリアがいる。

『ふふっ、いい子いい子。リハビリ頑張ってえらいねっ』

よたよたと寄ってきた赤いマフラーのような首輪を付けた犬・・・名前はミカサ。
警戒心の強いミカサは心開くまで時間がかかったが、リリアの献身的なお世話で擦り寄ってくるようになった。



『リリア、おはよう』


『あっ!リヴァイ先生!おはようございます!』



ドッグランの扉を開けリリアに近づくのは、リリアが務めるアッカーマン・アニマルホスピタルの院長リヴァイ・アッカーマン。
2階は自宅、1階は仕事場のリヴァイは寝起きのようで少し眠そうに頭をかく。


『リヴァイ先生、昨日も遅くまで?』
『あぁ、近々学会に行くからな・・・調べ物していた。リリアも出勤時間前からミカサのリハビリに来てくれていたんだな』
『はいっ。この感じなら問題なく新しいお家に行けますね』
『そうだな。リリアの献身的な看護のおかげだな』

そう言ってリヴァイがミカサの頭を撫でようとすると、ヴヴヴ・・・と唸る。
リヴァイはため息をすると手を引っ込める。

『相変わらず、リヴァイ先生にだけは警戒心持ったままなんですよね・・・。私が保定していたら治療はさせてくれるのに・・・』

『前世で俺はミカサと因縁でもあったのかよ・・・』

リリアがミカサを宥めるとミカサはクゥンとリリアを見つめ大人しくなる。リヴァイは先に院内を掃除しているからな・・・と告げると、白衣を翻して病院へ戻っていった。


『ミカサ・・・リヴァイ先生は優しいのよ?怖い顔かもしれないけど・・・私は・・・好きなんだからね』


しゃがんでコソッとミカサに耳打ちすると、ワンッ!とリリアの頬を舐めた。


『女の子同士の秘密よ。さぁ、リヴァイ先生のお掃除手伝わないと!ミカサも綺麗になって新しい家族へ行く用意しないとね』


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