第21章 進級
「今日から二年生だーっ!!!」
朝だから誰もいないだろうと思っていたが、家の前には実弥がいた。
まぁ、隣人なら?学園まで同じ距離を歩くんですから?同じ時間に家を出ていてもおかしくないですよね???
「…だな」
実弥は鼻で笑いながらも同調してくれた。
あの卒業式の日から、私は全ての記憶を取り戻した。…けれど……前世の私は消えてしまった。寂しいけれど、前を向かなくては。
「クラスどーなるかなー!楽しみだね!」
「どうだっていいだろうが」
「よくないよ!これで一年が決まるんだよ!?」
私がギャンギャンわめくのを鬱陶しそうにしつつ、実弥は無理に黙らせようとはしない。
そうこうしていたら学園についた。
さてさて、クラスは…。
「離れちゃったッ!!」
「うるさい、アホ」
大声をだしても人がざわざわしているので気づかれなかった。いや、それより。
「……ヤバいぞ~これはヤバい…休んだときにノート見せてくれる人いなくなる…」
「頑張って皆勤賞とるんだな」
伊黒くんがまた同じクラスだった。隣なクラスだったカナエとアマモリくんと同じクラスになった。
ちなみに、実弥はまた冨岡くんと一緒。
「殺す…これ考えやつ必ず殺す…!!!」
「まあまあまあ」
殺気をもらす実弥をなだめつつ私達はクラスへ移動した。
教室に入ると、ソッコーでカナエが来た。
「ぐえっ」
「~!!一緒のクラスになれて嬉しいわッ!!」
いかんせん勢いとスキンシップが激しい。
「わ、私も嬉しいよ…!」
「考えた人に感謝したいわ!」
…その態度、実弥に見習ってほしい。