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キメツ学園【鬼滅の刃】

第18章 年明け


今年も今日で最後になる。
色んなことがあった濃い一年だった。


両親と離れ離れになったこと、過去と向き合ったこと、恋をしたこと、美術部、将棋部、吹奏楽部……。


「ほら、年が明けるわ」


おばあちゃんがにこにこ笑う。
私も笑顔で返した。


前世の私は年が明けることを何とも思っていなかった。

また年を取るなぁ、とかそんなことは考えたかもしれないけど。


でも今は何だかわくわくする。
次の一年は何があるのかなって。


「あと5秒…」


時計の針が、その時を知らせてくれる。


「おじいちゃん、おばあちゃん。明けましておめでとう!!」


私は二人に新年の挨拶をした。二人も返してくれた。
お年玉もくれた。今年もよろしくって言ってくれた。

去年はこんなことなかった。
でも、こんなことをした年もあった。

母さん、父さん。明けましておめでとう。
今年もどうか、よろしくね。


私は深夜になり、二人が眠ったのを確認すると、物置部屋に直行した。

気配でわかる。まだ起きてるはず。


電気をつけて雨戸を開ける。向こうも窓を開けた。


「明けましておめでとうー」

「おめでとう」


これは毎年恒例だった。


「いやー、去年は色々あって参っちゃった。」

「……まぁお前は楽しそうだったけどな。」

「実弥は楽しくなかったの?」

「楽しかったよ。」


実弥はふぅ、とため息まじりに窓枠に肘をついた。
 

「明日アマモリに誘われて初詣なんだわ。だりィ。」

「そうなの?私もカナエと行くよ。アマモリくんのこと嫌いなの?」

「…別に。」


変なこと言うんだな。何でダルいんだ?


「もしかしたら会うかもね。」

「だな。んじゃ、もう寝るわ。」

「うん、おやすみ。」


私達はそこで別れ、眠りについた。
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