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【降谷零】なにも、知らない【安室透】

第8章 感情


週末、安室さんは一人の男の人を連れて帰って来た。
風見さんという名前らしい。
探偵の仕事柄、警察官とも知り合いになることがあるらしく、彼、風見さんは警察官だと教えてくれた。
そして、引っ越しの手伝いをしてくれるとも。

「え…、いや、大丈夫ですよ!自分で出来ます!」
「まあ、着替えやら細かいものくらいしか持って行かなくても大丈夫なようにはしてあるけど、全部一人でやるのは大変だろ」
「ちょうど非番なので。荷物持ちくらいしか出来ませんが」

そうは言っても初対面の、しかも警察の方の手を煩わせるのは無理。
何度言っても安室さんは聞き入れてくれなくて、仕方なく私が折れる形になった。

そうして、安室さんは仕事に向かい、私は風見さんと二人きりになった。
優しそうな雰囲気で、でもたぶん鍛えられた身体。そしてメガネを触るのは癖なのだろうか。気まずそうな顔でズレてもいないメガネを何度か押さえている。

「すみません」
「いえ。安室さんにはいつも助けて貰ってますので」
「やっぱり殺人事件とかですか?」

前に毛利さんのことを少し調べたときにそういう事で警察に協力していると書いてあった。
安室さんもきっとそうなのだろうと思っていたから聞けば「色々です」とはぐらかされた。
ま、一般人に言える訳ないか。
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