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【降谷零】なにも、知らない【安室透】

第8章 感情


安室さんが帰って来ない日が増えた。
探偵の仕事が忙しくなったらしく、顔を見ない日が一週間続いた。

そして久しぶりに会った今日。
突然、引っ越しを言い渡された。

なぜ。

「前の家の改修終わったから」
「ああ!そういえば!」

すっかり忘れてたけど、しばらくこの家に住んで欲しいと言っていたような気がする。
そのしばらくがあの爆発で被害にあった部屋が元に戻るまでだったのか。
いや、それにしては時間かかり過ぎでは?というのが顔に出ていたらしい。
本当はもっと前に改修は終わっていたらしいけれど、周りの工事がある程度終わるまでは戻らない方がいいと思っていたらしい。
確かに、爆発だもんね。あちこち直さないとだよね。

なんだかすっかり忘れていたし、すごく前のような気がする。

「急で悪いけど、今週末までには荷物をまとめて貰いたい」
「分かりました。そんなに荷物ないですし、すぐ終わりますよ」

はじめて、申し訳なさそうな声音で言われた「悪い」という言葉は少しだけ新鮮だった。
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