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【降谷零】なにも、知らない【安室透】

第7章 油断大敵


翌朝は、天気予報通りに朝から冷たい雨が降っていた。
ハロちゃんの散歩をして、そのままお風呂でシャンプーをしてあげれば、気持ち良さそうに目を細める。
ハロちゃんは、シャンプーも好きで、本当にお利口さんだ。
タオルドライの後に、ドライヤーで乾かしながらブラッシングをして。

「ん。キレイになったね、ハロちゃん」

アンッという鳴き声と共に私の手をペロペロ舐めてくる。
可愛い。
簡単に朝食を済ませて、朝のメールチェック。
昨日の仕事の他に、急ぎの仕事が一件。
ハロちゃんはシャンプーで少し疲れたのか、寝床で丸くなっている。
これくらいなら、そんなに時間も掛からないだろうし、受けちゃってもいいかな。
そう考えながら了解の返事をすれば、助かるという旨の返信が来た。
どこの世界の、どこの会社も、人手不足なんだろうな。
外注に出さなきゃならないほどなんて、抱え込みすぎだと思う。
まあ、それでお仕事が頂けているのだから、有り難いけど。

「先にこっちの急ぎのやってから、アプリのだな」

そう呟いて、パソコンに向かった。

急ぎの仕事は、一時間ほどで終わらせて、データを送る。
次はアプリの仕事だ。
システム構築は慣れた言語のため、意外と簡単だった。
その後、新たなデータを貰って、動作確認。エラー箇所が出て、修正して、またチェック。
何度か繰り返して、やっと確認終了。
気付けば外はうす暗くなっていた。

お昼も食べるの忘れて集中しちゃうなんて。
凝り固まった身体を解すように伸びをすれば、ハロちゃんが待ってました!とばかりに飛びついてくる。

「ごめん、ハロちゃん。あとはメール送ったら終わりだからちょっと待っててね」

頭を撫でてあげれば、大人しく離れていく。
本当に、人間の言う事を理解しているようなその行動に、何度も驚かされる。
安室さんの躾がいいんだろうな。
メールを送って、携帯をチェックする。
今日も連絡はない。帰って来ないみたいだ。

「ハロちゃんのご主人様はいつ帰って来るんだろうね?寂しいね」



朝より強くなった雨音に、夕方のお散歩は断念した。
その代わり、少しだけ遊び相手をしてから、夕飯を作る。
簡単なものでいいかな。チャーハンくらいなら作る気にもなった。

写真だけ撮ってから、お腹におさめる。
片付けて、お風呂までがもうワンセットだ。
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