第48章 "LOVE" is ...
一方ナルトたち三人は、チャクラコントロールの業、木登りをしているようだった。
繊細なコントロールとスタミナが鍛えられる効率のいい修行法だ。
センスを魅せたのは女の子のサクラ。
見事なまでに細やかにチャクラをコントロールしてみせ、その才能は忍術の得意なサスケを凌ぐほどだった。
カカシは今日でダウン二日目。
さきはと言うと、昨日今日としっかり寝たお陰で熱も下がって調子も戻ってきた。
明日からは、ナルトとサスケの修行を見つつ、サクラと共に橋を工事中のタズナさんの護衛につく。
其の日の夜、さき達は大人数で食卓を囲み、ツナミさんの作ってくれた夕飯を食べていた。
その中で、ふとイナリくんがずっと見ていた一枚の写真について、サクラがタズナさんに問いかけた。
「なんで破れた写真なんか飾ってるんですか?」
それに答えたのはツナミさんだ。
少しの間のあと、ポツリと、「夫よ」と呟いた。
(―――――――旦那さん…か。)
さきもまた、その破られた写真をじっと見つめた。
「かつて町の英雄と呼ばれた男じゃ…」
タズナさんも、消え入るような小さな声でポツリポツリと、呟いた。
するとイナリくんは突然席を立ち、自室へと戻って行ってしまった。
「イナリ! …父さん!イナリの前ではあの人の話はしないでって…いつも…!」
「何か訳ありのようですね…」
カカシがそう言うと、タズナさんは目に涙を浮かべながら、波の国で英雄と呼ばれた男、カイザさんの話を始めた。