第1章 嫌われてない理由【冨岡義勇】
ーあなたは、冨岡義勇を知っていますか?彼は,言葉足らずです。でも,またそこがいい。
そんな彼を好きになってしまいました。
『義勇さん!稽古ありがとうございました!』
「ああ・・。」
義勇さんとの稽古も終わり,1人で家に帰る。義勇さんは,鬼殺隊で孤立していた私を,継子として迎れてくれた。優しい人だ。だから,好きになってしまった。稽古の時に,義勇さんの近くに入れるから幸せだ。
『義勇さんは,私の事どう思ってるんだろう・・。』
私が,継子になった時より義勇さんは私に話しかけてくれない。私から話しかけないと,喋ってくれない。少し寂しい。しかも,最近はー。
「冨岡さんはやっぱり嫌われていますね。」
「嫌われてない。」
しのぶさんと話しているような気がする。2人で任務に行ったりするし,柱同士だから・・。段々と,義勇さんとしのぶさんがお似合いなような気がしてきた。私みたいな,芋女が義勇さんと付き合えるなんて,夢の話だーー。
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『う・・。ここは・・。』
「あ!目が覚めました!しのぶ様ー!」
蝶の髪飾りをつけた女の子達・・・。そっか,昨日倒れてそのまま蝶屋敷に来たんだ。
「慧音・・。大丈夫か?」
『義勇さん!?どうして・・』
「胡蝶から,お前が倒れたと聞いた。」
『・・・』
「慧音・・?どうした?」
まただ,またしのぶさんだ。こんなに嫉妬してる自分が醜い。しのぶさんは,悪くないのにー。
「どうしたんだ?」
『やめて!触らないで!』
「慧音・・?」
恥ずかしい。やめてなんて言って。義勇さんには,しのぶさんがお似合いだ。
私なんか。私なんか。
『義勇さん,私は継子を辞めます。2人で幸せになって下さい』
「慧音!?っっ,行くな!慧音!」
私は,もう後ろを振り向かない。義勇さんに相応しくない女だからー。