第40章 なぐさめる ヒプマイ 波羅夷空却 ほのぼの
一番じゃなくたっていい。
40.なぐさめる
ケンカ終わりにフラフラ歩いていると
後ろからかけられた声。
「くうちゃん!」
拙僧のことを変なあだ名で呼ぶのは
1人しかいないから振り返らなくても誰かわかった。
「おー、じゃねぇか。」
立ち止まって振り返ると
「また、ケンカ?」
拙僧の頭の先から足の先まで
視線を動かす。
「まあな。」
笑いながらそう返すと
笑い事じゃないの!と頬を膨らませたが
キョロキョロと辺りを見回し、
「いっちゃんは?」
拙僧を見上げた。
「今日はいねーよ。」
拙僧がそう言うと
は安心したようにそっか、と呟く。
「なんか、あったのか?」
歯切れの悪いの様子がいつもと違い、
「ちょっとね。ほら、
手当てするからウチいこ。」
寂しそうに笑って拙僧の手を引いた。
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「ちゃんと傷口洗った?」
家に入って早々に身体中の傷口を洗わされ
ソファに座る。
「おー。」
向かい合うように
フローリングに座ったは
救急箱を開けて消毒液や包帯を取り出し、
慣れた手付きで淡々と
傷口の手当てを終わらせていった。
「コーラあるけど、飲む?」
が
救急箱を片手に立ち上がる。
「おー、くれ!」
栓があいたコーラを受け取り、
口に含んだ。
しゅわしゅわと、口の中ではじける炭酸が心地いい。
飲むかと、瓶を差し出すとは
首を横に振った。
そうか、コイツ、炭酸飲めないんだったな。
このコーラは誰かのために用意していて
その相手は容易に想像がついた。
隣に座ったが
トンと拙僧にもたれかかる。
「なんか、あったんだろ。」
それは疑問じゃなくて確信だった。
「・・いっちゃんに、フラれた。」
「は?」
思ってもみなかった内容に
それ以外の言葉が出なかった。