第4章 指南
(放っておいてもよかったんだがな。……我ながら酔狂なことだ)
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「自分の命を守ることが、そんなにいけないことですか?」
「高貴なご身分のお姫様にはおわかりにならんでしょうが、男が一度武士になったからには……」
「人の命に、身分も職業も性別も関係ないです。生きたいと思ってる人の命を容易く奪う気なら、私を斬ってからにしてください。」
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光秀が、あの瞬間に味わったのは痛快さだけではなかった。
あの時の、茜からは蘭丸を守るとういう他に、『斬られても構わない』という、空気が感じられたからだ。