第1章 プロローグ
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着替えを終え天幕を出て、三成さんに、お寺のそばに急きょ作られた陣営へと案内された。
「こちらでお待ちください。今、白湯をお持ちいたしますね」
三成さんが外へ出ていき、織田信長とふたりきりになる。
「なかなか見られるようになったな」
(褒めてるつもりなのかな…?)
じろりと見つめられ居心地が悪くて、幕の外へと目を向ける。
三成さんの配下の武士たちが火を消し止めたらしく、煙は収まっていた。
(よかった…)
ほっと息をついた時、天幕へひとりの男性が静かに入ってきた。
「御館様、ご無事でしたか」
「光秀…?」
(光秀って、まさか明智光秀!? 信長を裏切って謀反を起こした張本人の…?)
「敵に狙われていると聞き、馳せ参じましたが…慌てる必要はなかったようですね」
「笑わせる。これまでに貴様が慌てたことなど一度たりともないだろう」
呆然とふたりに見入っていると、また天幕をかき分け、ひとりの人が駆けこんできた。
「信長様! お怪我は!?」
「秀吉か。 大事ない、賊は取り逃がしたがな」
「そうでしたか…」
「今度は……豊臣秀吉!?」
「……何者だ、お前? 俺をしっているのか」
(いけない、びっくりしてつい…っ)