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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第16章 水色桔梗の言葉を
「光秀、さん……」
「そんな目をしてねだっても、続きはお預けだ」
「っ、次は……いつ……?」
無言の微笑とともに、腕が解かれる。
「いい子にしていろ、茜。俺がそばにいなくても」
心地よい冷たさも、遠ざかる。
光秀さんは、仕上げをするみたいに、私の頰にキスをすると耳元で囁いた。
「お前に桔梗の言葉を……」
「……! 光秀さん……!」
笑顔だけ残して、光秀さんは窓の向こうの闇に姿を消した。
足音も息遣いも、気配さえももう、感じない。
(行ってしまった……)
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