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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第16章 水色桔梗の言葉を
「こら、目が腫れるだろう」
光秀さんは私の手を捕らえ、代わりに自分の指先で、瞳の縁にたまる涙をすくい取る。
(光秀さんには、泣かされてばかりいる。だけど、こぼれた涙を拭ってくれるのも、いつだってこの人だった)
「助けは呼ばなくていいのか? 俺は裏切り者の罪人で脱獄囚だぞ」
「必要ありませんから」
長いまつげに縁取られた切れ長の目を、真っすぐに見つめる。
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