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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第16章 水色桔梗の言葉を
同じ頃–––城をひそかに抜け出した蘭丸が、領土の外れの林に身を潜めていた。
「–––以上が、ご報告のためお呼び立てした理由です」
ひざまずきながら、密会の相手を見上げる。
相手の男の顔には、斜めに走る無残な傷痕があった。
「明智光秀が我らと内通していて、本人もそれを認めている、だと……?」
「はい、顕如様。安土は今、その話でもちきりです」
「……まったくもって、虫酸が走る」
顕如の瞳に激しい嫌悪と憤怒が閃く。
一方で、蘭丸の表情は安堵のためにかすかに緩んだ。
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