第15章 仕返しのキス
「……っ、おい、なんなんだ、その有様は!?」
(秀吉さん……!?)
「–––おやおや。お人好しがふたりに増えたな」
「……っ、開口一番に言うことがそれか!?」
秀吉さんが大股で歩み寄り、柵越しに光秀さんの胸ぐらを掴み上げる。
「秀吉さん、駄目……! やめて……!光秀さん、大怪我してるの!」
「わかってる……! わかってるが……もう我慢ならない」
「忍耐できない男は嫌われるぞ、秀吉」
「こんな時までヘラヘラ笑ってんじゃねえ……!」
「…………」
(秀吉さん……)
「お前、ほんとに……っ、何やってんだよ……!?」
秀吉さんが、固めた拳を振り上げて–––