第15章 仕返しのキス

(みんな……、光秀さんのことを信じてくれているのには変わらない)


不安で押しつぶされそうな自分の心を奮い立たせようと、私は握りしめた拳に力を込めた。



(あれ……？)


力なく立ち上がった蘭丸くんの顔が、少し青ざめている。



「蘭丸くん、大丈夫……？」


「茜様……。何でもないよ、ちょっと色々、びっくりしちゃって」


「そう…だよね……。」


「茜様、あんまり落ち込まないでね。光秀様が顕如と繋がってるなんて、絶対にないよ」



キッパリと言い切り、蘭丸くんは出て行った。


(蘭丸くんも光秀さんを信じてるってことかな……？ それにしては…なんだか様子が……？)


「茜、早々に報告を始めろ」


「っ、はい！」

…………