第15章 仕返しのキス
私もその場に呼ばれ、光秀さんが捕まった時の様子をみんなに伝えた。
(私は、光秀さんが怪しい人物と密会した現場も目撃してる。でも……)
その事実を、この場で明かすことはできなかった。
光秀さんの処罰を決定づけてしまうことが、恐ろしくて。
「困ったことになりました。光秀様ご自身が、あっさりと反逆の企てをお認めになるとは……」
「こんなの絶対おかしいって、三成様! 光秀様が……顕如と繋がってるだなんて」
「多くの者たちの前でご本人が断言したとなれば、牢からお出しする手立てはありません」
冷静に語る三成くんに、いつもの穏やかな笑みはない。