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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第14章 化け狐と今宵かぎりの想い
「追手は振り切ったな。少し速度を落とすか」
「そうですね……」
満点の星の下、光秀さんは私を抱くようにして前に乗せ、馬を走らせていた。
旅芸人の衣装をすっかり脱ぎ捨て、武将の顔に戻っている。
(本当に狐に化かされたみたい……。さっきまでのお祭りの賑わいが幻だったみたいに思える)
真夜中の野原は静かで、馬の蹄の音と、お互いの息遣いだけしか聞こえない。
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