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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第14章 化け狐と今宵かぎりの想い
鼓が、軽快なリズムを刻み始める。
陽気な笛の音が鳴り響くのと同時に、白狐が舞台へ躍り出た。
(光秀さん……!)
「–––どうやら狂言みたいだな。正確には、その原型と言うべきだろうけど」
「狂言って、古典芸能の……?」
幸村に聞こえないように、佐助くんに小声で尋ねる。
「そう。狐が登場する演目というと『釣狐』くらいしか俺は知らないけど……」
「どんな物語なの?」
「ざっくり言うと、賢い化け狐が猟師を騙そうとして、逆に罠にかけられる話だ。でも、これは……」
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