第14章 化け狐と今宵かぎりの想い
–––あれから結局、光秀さんに何を問いかけてもはぐらかされた。
(光秀さんは『祭りの夜にケリをつける』って言ってたけど……)
「光秀さんが演じるお芝居の中身くらい、教えてくれてもいいんじゃないですか?」
「それはできない相談だ。本番の楽しみが減るだろう?」
(この笑顔……絶対、何か企んでる)
これから光秀さんは、狐をかたどった面をつけて、舞台に立つ。
光秀さんが筋書きから演出までを務め、自らも出演する喜劇は、座長さんのお墨付きで、祭りの出し物のトリを飾ることになっている。