第13章 大切な人
(光秀さん、もう普段通りの顔に戻ってる。でも、見間違いなんかじゃない…!)
話はぶつ切りになってしまったけれど、胸に巣食った不安が一瞬にして消し飛ぶ、大事件だった。
少なくとも、私と、彼にとっては。
(光秀さんは、照れるとそっけなくなるんだ……! じゃあ…今朝、ちょっと様子がおかしかったのも、昨日私を慰めてくれたことが照れくさかったから……)
戦国時代へやってきて以来、最大の歴史的発見をしてしまった気分だ。
(っ、ともかく今は仕事に集中しよう。光秀さんが最優先って言うからには深い理由があるはずだし。ええっと、衣装のイメージ図は……。何、これ……?)