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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第12章 その感情は
(何も……何も、言い返せなかった……!)
連れて行かれた屋敷の飾り立てられた広間で、誰ひとり私に名前を尋ねなかった。
『義昭様』はただの一度も、私に直接話しかけようとしなかった。
あの場所で私は、人間以外の無価値な何かだった。
私自身ですらそう思わざるを得ないほどの、重く濃密な空気が支配していた。
(そんなわけない、絶対ない……! でも……っ)
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