• テキストサイズ

貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜

第3章 龍虎退治





「信長様、お待たせを」

「……揃ったな」

広間へ足を踏み入れ、私は即座に後悔した。

(無理にでも断ればよかった。場違いにもほどがある……!)

政宗さんに促されて、舞ちゃんの隣に腰を下ろす。
居並ぶ武将たちは、装いはもちろん顔つきまで普段と違っている。
そんな場所に居る、私と……、舞ちゃんだけが明らかに浮いていた。

きっとこれが、戦いに向かおうとする武士の顔なのだ。

(政宗さんに気圧されてここまで来てしまったけど、話を聞くのが怖い……)

「用向きは、先触れで伝えた通りだ。越後の龍と甲斐の虎がよみがえり、この俺に牙を剥きおった」

信長様の低い声が広間に響く。


「龍と虎って……?」

「上杉謙信と武田信玄–––とうに死んだはずの、信長様の宿敵だよ」

「謙信、信玄!? その名前なら、ついこの間、聞いたばっかり……」

舞ちゃんが急に声を上げて、武将全員がこっちを見る

「有名な怪物の名を最近まで知らなかったの? 信じがたい物知らずだね、あんた」

「っ、ええっと……あはは、そうかも。色々教えてくれてありがとう」


舞ちゃんの疑問に呆れたように家康さんが答えると、何か思い出したのか、舞ちゃんは青い顔しながらしろどもどろになっていた。

/ 573ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp