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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第10章 偽りの夫婦
「おーい、あんたら、光(みつ)さんと茜さんだろう! 待っとったぞー!」
派手な衣装に身を包む、人の良さそうな四十代くらいの男性が、こちらへと駆けてくる。
「あの人は……?」
「俺たちが世話になる、旅芸人一座の座長だ」
(なるほど、事前に手配したって、そういうことか)
「たしかに大勢の中に紛れたら、ますます目立ちにくくなりますね」
「正解、よくできたな。彼をはじめ一座の面々は俺たちの素性を知らない。あくまで、流しの芸人として振る舞うぞ」
「わかりました」
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