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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第10章 偽りの夫婦
絡まった紐をするすると解き、光秀さんは着方を解説しながら着付けを始める。
時折じかに触れる指に、肌がぞくっとざわめく。
(……っ、意識することじゃない。平常心、平常心!)
そう言い聞かせ、次は自分で着られるように手順を頭に叩き込む。
「次は髪だな。座れ、茜」
用意した鏡の前に座ると、櫛が髪に入った。
(……んっ)
櫛の歯が地肌をそろりと滑るたび、ゾワリとする感覚に、変な声が出そうになる。
(くすぐったいだけ!我慢、我慢……!)
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