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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜

第7章 虚心坦懐



この人は、こうやって、結局ははぐらかすんだ。

なんで私が怒ってるか、わからないんだろうか……



違う……光秀さんはわかってる。
わかってて、あえて、煙に巻いてしまうんだ。

自分の心は決して明かさず、私の心を見透かして、うまく転がされてしまう。


背中をさする手のひらがやっぱり優しくて、心地良くて振りほどけない。



(本当に、意地悪。全然、納得してないのに、こんなふうに甘やかされたら、怒れない……)



そして、光秀さんと同じように、私も自分の都合の悪い部分ははぐらかしてしまう。

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