第7章 虚心坦懐
「君も戦国ライフを満喫してるみたいで安心した。頻繁には会いに来られないけど、残り二ヶ月半を無事に生き延びれば現代に帰れるから」
「……うん。わざわざありがとう、佐助くん。帰り道、どうか気をつけてね」
「承知した。茜さん……あんまり、肩入れはしないようにね。別れが辛くなるよ。それじゃ……–––これにてドロン」
「え……?」
佐助くんが天井裏へと消えたあと、冷えた布団に身体を滑り込ませ、私は思いを巡らせ続けた。
光秀さんのことを深く知る人は、この世界にひとりもいないみたいに思える。乱世でも現代でも。