第6章 疑心暗鬼
(……? どういう意味だろう)
「頭の痛い話ですね。越後との戦がこれからって時に」
ぼやく家康の顔がうんざりしてる。
「秀吉、春日山の動きは」
「国境を挟み、にらみ合いが続いています。顕如の手勢がどれほどの数かわかりませんが、手を組まれて挟撃でもされたら厄介です」
「いかがいたしましょう、信長様」
「謙信信玄の前進を阻むため、今以上に兵力を割く。顕如の動きを奴らに悟らせるな。顕如の方は深追いせず、出方を見る。どちらも、敵の忍耐が切れ討って出てきたところを、叩き潰す。」
(秀吉・三成)「はっ」