第1章 2人
仲のいい、亜由香と廉の関係、それは幼馴染。
小さい頃からずっと2人で居たせいか、本当に幼馴染かと思うほど仲がいい。
なんでも相談しあえる、信頼しあえる2人。
学校でも当然と思うが「本当は付き合っているんじゃないか」と噂されている。が、当の本人たちはそんなこと気にしていない。
今は春。
心地よい春風に髪をなびかせながら登校する。
亜由香と廉は2人、仲良く登校している。
澄み切った青空の下、新学期が始まる。
「亜由香!やったよ!また同じクラス!あ、廉君も同じクラスだよ。今年もよろしくね」
「本当?やった!!」
親友と同じクラスになれることは、とても嬉しい。
なんせこの学校は1学年8組ある。
人によっては毎年関わったことのない人とクラスになる人もいる。そうなると友達をまた作らなくてはならないため、面倒くさい。
反対に1人でも知っている人がいれば楽だ。
その子の友達を紹介してもらえば一気に友達が増えることになるからだ。
「でもさぁ・・・普通、付き合ってもないのに手、繋ぐ?」
最もな質問だ。
2人は傍から見ればただのバカップルだが、本当は付き合ってなんかいない。ごく普通の幼馴染。
いくら仲が良くても、手までは繋がないだろう。
それにここは学校。恋人同士だって繋ぐのにためらってしまうというのに。
「・・・うん」
それが、2人の関係。
『友達以上恋人未満』なのだ。