第3章 俺は何も知らなかった件について
「おおおーっ!!爽快っ!!!」
「るせぇ!!……黙って乗ってろォ!!」
「バイクの後ろって何か久々でっ!!」
「なんだ、乗ったことあんのかァ。」
「よく乗せて貰ってました!!」
後ろで騒ぎながらもしっかりバランスをとって
乗る様子に本当に慣れてるな。なんて
変な安心感を覚えたのは言わない事にする。
それよりも”道案内”されてたどり着いた
の家の場所の方が衝撃的だった。
「いや、近ぇなオイ。」
「お家こっちの方なんですか?」
メットを返しながら首を傾げるに
別に隠す事では無いので自宅の位置を教えてやる。
「ああ、近いっつーか、アレだァ。」
「………え”、近いとかのレベルじゃない。」
最早目と鼻の先。指で示せば分かるほど近い
その距離は”今までよく会わなかったな”と
当たり前に疑問視する程の近さだった。