第11章 お前にキスがしたくなった件について。
「不死川先生はキスしないんだなぁって。」
宇髄とはいつも一緒だなんてアピールしてから
こちらを見つめる瞳に、居心地が悪く感じた。
それなのに、それが嫌だとは何となく思えない。
この一連の流れを やらかした と
焦った癖に、既にその罪悪感を忘れて
何故キスしないのか。 と変換できる物言いに
本当は気になっていた唇を見つめる程
どうしようもなく触れたいとまた思う。
結局酔ってたとしても
嘲笑われる流れまでも覚悟して
どうしても耐えきれず降伏宣言した事も
そもそも膝なんかに乗せて甘やかしてた事も
疲れたなんて言い訳して自分から酒を呑み出した
そんな誤魔化しを含んだ行動も
自分らしくないのは明確で
その原因がな事ももう抗えない。
コイツに唇を重ねない理由は
残念ながら分かってる。