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▲イケメン戦国▲おいしい刹那~官能集~

第3章 ホタテのポワレ アスパラガス添え 義元が焦がしたバター醤油


ぐったりと膝の上で背を預ける私の乱れた着物を、義元さんが直してくれる。



「皺になっていないといいけど……」



義元さんにそんなことをさせるのは申し訳ないと思いながらも、私の身体は指先ひとつ持ち上げるのも億劫なほどで、いまは素直に身を任せることにした。






そして丁寧に皺を伸ばしながら器用に整えられていく着物は、私の呼吸が落ち着く頃には、すっかり元通りに着付けられていた。






「ごめんね、無理さたかな……。続きはまた今度──でもね、〇〇……」



抱き締められたまま後ろから覗き込むようにさえ、吸い寄せられるように見上げた先で、ガラス玉のような綺麗な瞳が私を見つめる。



「こんなこと、俺以外の男とは絶対にしちゃだめだよ……わかった?」



その瞳を真っ直ぐ見つめながらこくりと頷くと、義元さんはいつものように形の良い薄い唇を優美に綻ばせた。





そして、近づく予感に目を閉じ…






ちゅっ






それは口の端に触れてすぐに離れていった。




「…っ」




胸の焦げ跡がヒリリと痛むのを感じて、堪らず私は義元さんの手をそっと握った。








すぐに、触れ合った指は隙間を縫うように絡み合った。








言葉にできない想いを確かめ合うかのように──







終。


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