第5章 愛しけりゃこそ強とと打て※18禁域※
笑みを湛えた唇を私の耳に押し当て、光秀さんが頗(すこぶ)る意地悪な質問をする。
「くすぐったいのか?それとも……感じているのか?」
言った後、その舌先が耳の淵をなぞって、最後に唇が耳朶(みみたぶ)を ちゅぱっ と喰んだ。
「…っ」
知らない感覚に恐怖を覚え、思い切って光秀さんの手を振り解く。
せめてもの抵抗に乱れた襟の合わせ目を押さえるけれど、器用なその手は僅かな隙間から簡単に滑り込んでくる。
「口で言って解らないなら、身体で覚えさせるしかない……」
耳底に吹き込まれる艶気を含んだ掠れ声に どくどく と心臓が大きく脈打って、だんだん呼吸が浅くなっていく。
片側に髪を掻き分けられ露になったうなじを、薄い唇が何度も啄んでは、時折強く吸いあげて…
次から次へと与えられる刺激に呼応する身体が熱を帯びていく。
その証としてしこり勃った先端を、指の先で紙縒(こよ)って弄びながら、房は形が歪むほどに揉みしだかれ…
乱暴にされて肌蹴た肩口に、光秀さんが歯を立てた。
「…っ」
快楽に似た痛みに漏れそうな声を唇を噛んで堪える。
意地悪されて感じてる、なんて…
(光秀さんに知れたくない……)
けれど、そんな小さな抵抗など何の意味もなく、胸元を弄っていた手が、着物の上を滑るように下がっていき、裾を割り、汗ばんだ内腿をねっとり撫ぜ上げる。
「…や…」
「嫌?……ならば”それ”を解いて抵抗するといい」
光秀さんの言う通りだ。
態と緩く縛られた結び目は、親指を左右に引けば簡単に解けてしまうのに…
出来ないのは、手指を拘束されたことで、新たに知ってしまった快楽に溺れそうになっているから…。
「……どうした?」
挑発するような問いかけに、じわりと涙が滲んでくる。
「出来ないんだろう?お前はいけない子だからな…」