第2章 クロコ+カレシ
「…すみません、」
荒く呼吸をして、力が抜けた私を支えるように腰に手を回す。
彼はほんの少しだけ眉をハの字にして謝った。
「…く、くるし、かった…」
「…すみません、もしかして初めてでしたか」
「…あ、あたりまえでしょ…」
くっ、と腕を引き上げられ、しゃんと立たされた私はまだ頬を紅潮させ、肩を揺らす。
そんな私の様子を彼は少し微笑みながら見つめた。
「…やっぱり、リマさん、可愛いです」
「…は、はいぃ……?」
くすり、と目を三日月にして笑う黒子くんに軽く殺意を覚えた。
「…な、なんでこんなこと…」
「好きだからです」
力強く、彼にはそぐわない男を感じさせるような声。
驚いてバッ、と顔をあげるとそこには真剣な顔をした黒子くんがいた。
「僕の好きな人はあなたです、リマさん」
これでもかってくらい目を見開いて、顔が紅くなっていくのが分かった。
「…な、黒子、く…「返事は今じゃなくていいです」
遮られた言葉に口を紡ぐ。
黒子くんは私の紅潮する頬を手の甲ですり、と撫でる。
私はきゅ、と目を瞑った。
すると、黒子くんは愛しそうな表情を
して、眉を潜めると、私の頬に軽いキスを落とした。