第19章 数学教師 不死川実弥②
「ん…」
ー寝ちゃってたの、かな…?
「目ェ覚めたかァ」
「ぎゃあイケメン」
「あァん?」
実弥は私の横に寝転がっていた。
どうやら行為後に私は気絶してそのまま寝ていたらしい。
「で、もうあんなクソ漫画読まねェよなァ、もちろん」
「はっ、はひっ!もちろんです」
「…始めっからそう言えばいいのによォ」
実弥はくるりと後ろを振り返り、頭を乱雑にボリボリと掻く。
振り返った背中には4つの私が引っ掻いた跡があった。
「へへ、実弥の愛してる聞いちゃった…」
私が小さな声でそう呟くと、実弥は私の顔面をすごい勢いで掴んできた。
「いだだだ!!なに!なによ!!事実でしょ!」
「うるせェ!黙っとけェ!!」
指の隙間から実弥の耳が見えると、その耳は薄ら赤くなっていた。
ーもう、素直じゃないんだから
ーーfinーー